癌の原因は遺伝子が傷ついたことにより起こる突然変異である。
細胞には個体を良い状態に保つために細胞死がプログラムされている(アポトーシス) 遺伝子が傷ついたことにより突然変異が起きた細胞では、そのプログラムが壊れてしまい、細胞が増えるだけの状態になってしまう。
がんができてしまう事に関わる遺伝子はいくつかあり、それ以外にもあらゆる要素でがんが出来ると考えられている。
癌はどのようにして発生するのか?
最初に、細胞の遺伝子を傷つける、イニシエーターという発ガン物質により、イニシエーションという状態になる。さらにその遺伝子の傷が修復されないまま,プロモーターとよばれる発がん促進物質により、遺伝子が傷つけられ癌細胞となる(プロモーション)。 さらにその癌が大きくなり、症状がでてきた状態をプログレッションとよぶ。
以下、出てきた用語をまとめると次のようになる。
イニシエーター 遺伝子を傷つけるもの。
イニシエーション 遺伝子が傷ついた状態。
プロモーター 発癌を促進するもの。
プロモーション 細胞が癌化した状態。
プログレッション 癌が大きくなり、症状が出てきた状態。
まとめていうと、細胞がイニシエーターで傷つき、イニシエーションになる。さらに遺伝子が修復されないままプロモーターでさらに傷つき、細胞は癌となる。癌がでかくなれば、症状がでてくる。(プログレッション)
癌は遺伝子の突然変異により生じるが、ある特定の遺伝子が変異すると癌となることが分かっている。
その特定の遺伝子の一つは、癌原遺伝子と呼ばれ、この遺伝子が変異を起こすと癌遺伝子となり癌を増殖させる。
もう一つは癌抑制遺伝子と呼ばれ、これが変異すると癌が出来たときそれを抑えることができなくなる。
遺伝子を傷つける、発癌性のあるものは国際癌研究機関(IARC)により、4つのグループに分けて定期的に勧告されている。
グループ1 :人に対して発がん性がある
グループ2A:人に対しておそらく発がん性がある
グループ2B:人に対して発がん性があるかもしれない
グループ3 :人に対する発がん性については分類できない(不明である)
グループ4 :人に対しておそらく発がん性がない
これはつまり、言い換えるとこうなる。
グループ1:間違いなく癌になる。
グループ2:多分癌になる。
グループ3:癌になるかならないか、どちらか分からない。
グループ4:これは(おそらく)大丈夫、癌にならない。
発癌物質の代表的なもとして、アスベスト、C型肝炎ウイルス、放射線、タバコ、ヒ素、 ベンゼンなどである。