肺気腫は肺胞の壁が不可逆(戻ることができない)破壊の状態なので、残念ですが根治させるんだとしたら、肺の移植しかないようです。まず、ならないようにすることが大切で、なってしまった後は症状を遅らせることが非常に大切になってきます。
まず、原因と思われるタバコをやめることです。粉塵(細かいチリ)など吸うような状況なら、そこから離れるしかないでしょう。
薬としては狭くなってしまった気管を拡げるような薬や痰を出しやすくなるような薬を出すようです。
気管支は空気を通す只の管というイメージを私なんかは持っていましたが、じつは気管支には平滑筋(自分の意思で動かすことができない筋肉で主に内臓などの筋肉)があり、薬を用いることにより拡げることができるようです。
もっとも処方されるのは抗コリン吸入薬だそうです。抗コリン薬は副交感神経(リラックス時に優位になる自律神経)を抑える薬です。となると、反対である交感神経(緊張時に優位になる自律神経)が優位になります。人は緊急時になると呼吸が荒くなります。当然より多くの酸素を必要とするので、気管支を拡げます。抗コリン薬は副交感神経の作用を抑えることにより、気管支を拡げる作用を持つ薬です。
β2刺激薬は交感神経(緊張時に優位になる自律神経)に直接作用して、気管支を拡げる作用がある薬です。
肺気腫では肺の機能が低下しているため、酸素をうまく取り入れる事ができず、動くことが億劫(おっくう)になりがちです。 すると、筋肉も落ちてしまいますので、適度に運動することが大切です。また、あまり動かないと食欲も落ちてしまい食べなければさらに活動が低下するという悪循環に陥ってしまいます。
呼吸リハビリでは楽に呼吸をする方法や、痰を効果的に出す方法、呼吸筋などが落ちないようなリハビリを行うようです。
症状が重くなると、在宅酸素療法となります。