肺気腫

 肺気腫は肺胞(肺の中で血液における酸素と二酸化炭素を交換する場所で小さな空間)の壁が、何らかの原因で慢性(長い間続いている)的な炎症により、破壊されてしまう病気です。

 想像してみてください。大きな大きな部屋があります。その部屋に無数の縦と横に張り巡らされた壁がたくさんあったとします。その壁には毛細血管が張り巡らされ、無数の壁で出来た小さな部屋で酸素と二酸化炭素を交換しているのです。

 では、その張り巡らされた壁を取り去ってみましょう。ただの大きな部屋になってしまいました。当然、無数の壁があったときより、格段に酸素と二酸化炭素の交換の効率は悪くなってしまいます。

 つまり、その無数の壁で出来ていた小さな部屋こそ、肺胞であり、慢性的な炎症で壁がなくなってしまった状態が肺気腫という病気なのです。

 肺の機能が著しく低下してしまうので、主な症状は呼吸困難になります。

 肺胞の壁を破壊してしまう、慢性的な炎症が起きてしまう原因は不明ではありますが、患者の8割は喫煙者であるようです。

 肺胞の壁の破壊が進行し、大きな部屋となり、弾力を失い、さらに拡張して周囲の組織を圧迫したような状態をブラと呼びます。そのような状態になると、さらなる呼吸の障害が生まれる可能性が出てしまいます。